子どものいる家庭の家計において、大きな割合を占めるのが子どもの教育費ですよね。
子どもが大学卒業までにかかる教育費は2,000万円とも言われます。
その中で、特にお金がかかるのが大学資金です。
貯金、学資保険、投資等で準備しているご家庭が多いと思いますが、大学での教育費には『奨学金』という制度もあります。
現在、教育機関で奨学金等の教育費に携わる仕事をしていますが、奨学金の制度自体がよくわからなくて問い合わせを受けることがとても多いです。
[chat face=”EM.png” name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]そこで今回は大学での奨学金について書きたいと思います。[/chat]
小さい子どもがいて、大学資金について考えている方
高校生の子どもがいて、奨学金について知りたい方
そんな方の参考になれば嬉しいです。
ひとつ注意点ですが、奨学金は誰でも受けられるものではありません。
奨学金を受けるためには、収入や学力などの条件を満たす必要があります。
教育費の計画は立てた上で、こういう制度もあるよ~という程度に思っていただければと思います。
奨学金の種類
奨学金は2種類あります。
返済が必要な貸与型と、返済が原則不要な給付型です。
日本では貸与型も給付型も『奨学金』と一括りにされますが、実際は返済の義務があるものとないもの両方が含まれています。
ちなみに、アメリカでは返済の義務がないものを『Grant(グラント)』や『Scholarship』、返済の義務があるものを『Student loan(学生ローン)』と呼びます。
返済が必要な貸与型の奨学金は『学生ローン』だと考えると分かりやすいと思います。
貸与型
貸与型の奨学金は、卒業後に返済が必要な奨学金です。
貸与型の奨学金には、利子がつくものとつかないものがあります。
これは奨学金によって違います。
なお、奨学金は学生本人が借りるものなので、学生本人が卒業後に返済をしていく必要があります。
給付型
給付型の奨学金は、原則、返済が不要です。
その分、貸与型の奨学金よりも採用の条件が厳しくなっています。
また、大学での成績があまりにも悪い場合や素行不良の場合には、返済が必要となる場合があります。
実施機関のカテゴリー
奨学金を実施している機関のカテゴリーは大きくわけて3つあります。
日本学生支援機構(JASSO)
大学
民間企業や財団、地方自治体
[chat face=”EM.png” name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]それぞれについて説明していきますね。[/chat]
日本学生支援機構
日本で学生向けに奨学金事業を行う独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)による奨学金。
JASSOは文部科学省が管轄している組織で、国主導の奨学金事業を行っているのがJASSOとなります。
※以下、わかりやすいように返済という言葉を使っていますが、JASSOでは借りた奨学金を返すことを『返還』と言います。
JASSOではもともと返済の義務のある『貸与型』のみを実施していましたが、2020年度より原則返済の義務のない『給付型』も実施しています。
また、貸与型奨学金は利子がつかない『第一種貸与奨学金』と利子がつく『第二種貸与奨学金』があります。
種類 | 返済の義務 | 利子の有無 |
---|---|---|
給付奨学金 | 原則、なし | – |
第一種貸与奨学金 | 有 | 無 |
第二種貸与奨学金 | 有 | 有 |
大学独自の奨学金
各大学で大学独自の奨学金を実施しています。
入学後に申請するパターンが多いですが、私立大学では『予約型奨学金』を実施している大学もあります。
その大学への進学を希望している受験生に対して、受験生の時点で採用の内定を出し、入学後から支給するというものです。
各大学違うので、希望する大学のホームページを確認するのが良いと思います。
民間企業や財団の奨学金
様々な民間企業や財団が奨学金事業を行っています。
給付・貸与の違いだけでなく、分野、学年、年収等々、各団体でそれぞれ基準を設けています。
また、大学を指定している奨学金もあります。
こちらも希望する大学のホームページでどんな奨学金を募集しているか、確認してみると良いです。
なお、募集時期のみ情報を出していることが多いです。
一般的には2、3月頃が民間奨学金の募集時期となるため、その時期が一番情報量が多いと思います。
もしお子さんが希望している大学ではどんな奨学金を募集しているか気になる方は、2月~3月頃の時期に確認するのが良いですね。
奨学金額
奨学金の金額は奨学金毎に違います。
給付型奨学金は、奨学金額が決まっている場合がほとんどです。
JASSOの給付奨学金は、『両親の収入』『一人暮らしかどうか』『通っている学校の設置区分(国立・私立等』この3点で給付額が変わります。
一方、貸与型奨学金も奨学金額が決まっている場合が多いですが、学生自身が金額を選択できる場合もあります。
例えば、JASSOの第二種貸与奨学金(利子が付くタイプ)は、20,000円~120,000円の中で10,000円刻みで貸与金額を決める事ができます。
また、毎月受け取る奨学金が多いですが、一年分を一括で受け取る奨学金もあります。
まとめ
奨学金について説明しました。
奨学金の種類は2種類
返済が必要な貸与型と、返済が原則不要な給付型です。
返済が必要な貸与型奨学金も、無利子の奨学金と有利子の奨学金があります。
給付型奨学金は原則返済が必要ありませんが、貸与型よりも採用される基準が厳しいです。
実施機関のカテゴリーは主に3つ
日本学生支援機構(JASSO)、大学、民間企業や財団、地方自治体です。
奨学金の金額は決まっているケースが多い
大体の奨学金では、月額がすでに決まっていますが、貸与型の場合には自分で金額を決めることが出来る場合もあります。
大学での奨学金は様々なものがあり、また基準等もそれぞれに設定されていて複雑です。
細かい条件は奨学金毎に確認する必要がありますが、今回ご紹介した奨学金制度の概要を掴んでおくと理解しやすくなるかと思います。
教育資金は、貯金や学資保険で教育資金を貯めている家庭が多いと思います。
また、奨学金が受けられるか否かは、家計の状況や成績等によって決まるため必ずしも受けられるとは限りませんが、このような制度があることも知っておくと少し不安が減るかと思います。
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